中小企業動向とM&Aと成功への鍵

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中小企業庁が実施した調査によると、2017年のM&A成約件数は3,050件にのぼり、うち526件は中小企業のM&A実績という結果となりました。

 出展:http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/h30/html/b2_6_2_2.html

 国内では、2003年にニッポン放送、2004年に住友倉庫と次々に敵対的買収を仕掛けた村上ファンドの動きが話題となり、M&Aという言葉がセンセーショナルなニュースとして世に広がりました。

 今ではM&Aの制約件数は約2倍に増加し、M&Aという言葉が持つ印象も敵対的でネガティブなものから、事業承継に有効な1つの選択肢として認知されつつあります。

 この記事では、近年のM&Aのトレンドとその背景、M&Aを成功に導く考え方をまとめていきます。

 

注目を集める中小企業のM&A

 日本企業のMAの件数について(株)レコフデータの調べによると、1985年には260件しか成約していなかったM&Aが、1990年には754件、1999年に初めて1,000件を越す1,169件となり、2004年には2,211件、2005年に2,775件と第一次M&Aブームを迎えることとなります。

 その後、選択と集中を戦略として掲げる企業の増加を背景に案件数は減少していきますが、2013年から再び案件が増加し始め、2015年に2,428件、2016年に2,652件、2017年には初めて3,000件を越す3,050件の実績となりました。

 日本国内の全体傾向として増加をしているM&Aでありますが、その中でも近年特に注目を集めているのは中小企業のM&Aです。

 中小企業のM&Aの実施状況は、プレスリリース等で公に公表されていないことも多く、中小企業のM&A仲介を手がける東証一部上場の3社(㈱日本M&Aセンター、㈱ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ㈱)の成約件数の合計を実績値としてまとめていくと、2012年に157件であったM&A成約件数が2013171件、2014234件、2015308件、2016387件、2017526件と5年間で3倍以上に増加しています。

 既述のとおり、中小企業のM&Aは公表されていないケースが多く存在すると推察されるため、顕在化していない件数を含めると相当な増加が予想されます。

 

なぜ、M&Aが増加しているのか

 M&A増加の背景には様々な要因が関連していますが、1つには日本の経済成長を支えた経営者の高齢化の影響があると考えます。

 1950年代の日本経済は、戦後の復興に向かい世界に例のない高度経済成長期に入りました。

 1955年から1973年まで、日本の実質経済成長率は年平均10%を超え、欧米の24倍となる目覚しい発展を遂げました。

 国内の企業数を見ていくと、1963年に399.7万社、1972年に521.7万社1981年に638.4万社と経済成長に比例するように増加の一途を遂げました。

 日本の経済成長を支えた中小企業でしたが、現在は企業数は減少傾向にあり、経営者の高齢化が問題視されています。

 このグラフは中小企業経営者の年齢分布を5年ごとに示したものです。

 中小企業経営者の年齢でもっとも多い層は、1995年では5054歳でしたが、2015年では6569歳となっています。

 20年の間で中小企業経営者の年齢層もほぼ同じ年数だけ高齢化していることがわかります。

 中小企業、とりわけ小規模事業者の場合は、経営者個人の能力や経験に経営が左右されます。

 経営者が高齢になって引退を考えるとき、有力な後継者がいなかったり、事業に将来性がなかったりすれば、事業の存続を断念することも多いと考えられます。

 そういった場面で、事業承継の1つの有効な選択肢としてM&Aを選択する経営者が増えているのは間違いありません。

 

③M&Aを成功に導く2つのコツ

 これまで、M&Aが増加をしているトレンドとその背景を見てきました。

 M&Aが増加をしている一方で、全ての案件が成功をするとは限りません。

 ここでは、M&Aを成功に導く2つのコツを説明していきます。

③-1成功とは何か?

 M&Aの成功とは何か。これは非常に難しい問題であると思います。

 顧客数の拡大、事業の多角化、販路の拡大という成果を出すことがM&Aの成功なのでしょうか。
 買収先企業が経営不振から脱却できずに、顧客数の拡大、事業の多角化、販路の拡大という目的を達成できないとM&Aは失敗なのでしょうか。

 その答えは、M&Aを行う経営者当人にしか出すことができないものであり、M&Aを行う目的、求める成果、優先順位を決めておくことが成功のコツであると言えます。

 経営者の視点から見たときのM&Aによって享受される便益は、株主としての視点、経営者としての視点に分けて考える必要があります。

 株主としては、株式を譲渡することによる譲渡対価が最大のメリットです。

 企業価値の算定方法には数種類の手法があるため一概には言えませんが、会社の利益を適正に生み出し、キャッシュや純資産を着実に積み上げていくことが企業価値を高めることにつながります。

 M&Aの目的を譲渡対価の最大化に置く場合は、たとえばM&Aを入札式にし、最も高額の提示をした企業を譲渡先として選定するなどの方法があります(誰もが欲しいと思うような事業・企業の場合)。

 次に、経営者としての視点からM&Aを考える際には、自社単体では難しかった会社の成長の実現、社員の雇用の安定、後継者不足の解消など、様々なメリットが考えられます。

 これらの要素は譲渡先の考え方や要望によって実現できるもの、できないものが出てきますが、最も注意が必要な点は株式を譲渡し、代表権を譲り渡した後にはこれらの要素をコントロールすることは出来なくなることです。

 そのため、M&Aの成約にいたるプロセスにおいてしっかりと譲渡先企業に対する条件提示、交渉を行い、必要に応じて基本合意書や株式譲渡契約書に内容を明記する必要があります。

 

③-2 成功可能性を高めるパートナー

 M&Aの成功の定義、満たしたい優先順位を決めたとしても、全てがうまく実現するとは限りません。

 成功可能性を最大化するためにニーズが急激に高まっているのが、M&Aのマッチング・仲介サービスです。

 これまで見てきたように、M&A案件数の増加、特に中小企業のM&Aに特化したスモールM&Aに関連するサービスのニーズが非常に高まっています。

 M&Aに関連するサービスは、メガバンクや地方銀行等の金融機関、証券会社等が提供してきましたが、仲介手数料とM&A仲介業務にかかる労力の関係から、一定規模以下のM&A仲介サービスは積極的に行われてきませんでした。

 そういった状況を打破するため、近年では中小企業のM&A仲介に特化したサービスが生まれています(弊社もここに該当します。)。

 経営者にとって、一生に一回あるかどうかのM&A

 どんな会社を選ぶのが最適なのか、従業員に秘密を守りながら進めることが出来るのか、会社を乗っ取られて社員が不幸にならないか、自社の価値はどの程度が適正なのか、など、不安や疑問に思うことも多くあると思います。

 ご自身の成功のイメージを固め、成功確立を高めるために、最良のパートナーを選択することはM&Aの成功において非常に重要な要素となります。